日本で76,200円のことが、
ニューヨーク 243万円
ロサンゼルス 194万円
サンフランシスコ 193万円
ボストン 169万円
になるものは何でしょう?

ルポ貧困大国アメリカ (岩波新書 新赤版)
堤 未果 (著)
上記の答えは、盲腸手術入院の総費用。
しかも平均入院日数を一日とした場合。
(日本の金額は、2007年の保険点数で差額ベット代を除いています。4,5日入院しても合計で30万円を超えることはまずないとのこと)
この金額には衝撃を受けました。
このことが書かれている章は、「一度の病気で貧困層に転落する人々」。
2005年度の個人破産件数は、204万件。
その原因の半数以上があまりに高額の医療費の負担のためだと書かれています。
その他にも、貧困児童に肥満が多いのはなぜか。
(ニューヨーク州では、公立小学校に通う生徒の50%が肥満児!)
ハリケーン・カトリーナの被害があれほど甚大になったわけは。
ワーキングプアの人々が向かう先は。
等々、ショキングな事実を私は初めて知りました。
2008年日本エッセイスト・クラブ賞受賞という帯を見て何気なく買った本ですが、読んでよかったと思っています。
一番怖いと思ったのは、貧しい人々がイラク戦争に巧妙に参加させられていること。
学生は、学費をかせぐために軍隊に。
大人は、家族を養うために民間戦争請負会社に登録し、戦地へ。
つまり、格差を拡大する政策を次々に打ち出せば、経済的に追い詰められた国民は、生活苦から戦争に行き、巨大な利益を生み出す戦争ビジネスを支えてくれるという構図なのです。
現在、戦争請負業界で、イラクは「ゴールドラッシュ」と呼ばれているとのこと。
日本はアメリカのあとをひたひたと追随しているようにみえますが、その先にどんなことが待ち受けているのか、私たちは知っておいたほうがよいと思います。
1~2時間あれば読める本です。
ぜひ一度お読み下さい。